2024年11月5日
「子育て期の女性の骨密度」について
日本公衆衛生学会総会で発表いたしました。
10/29-30に札幌で開催された第83回日本公衆衛生学会総会で、
子育て期の女性の骨密度について、ラブテリメンバーの研究者である猪川聡美が発表いたしました。
こちらのデータは、ラブテリの保健室に参加の骨密度測定を行った4エリア(東京・大阪・福岡・愛媛)の20歳以上の女性の骨密度調査からとなっております。
●今回の発表のポイントは以下です。
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①閉経前の女性であっても約2割が骨密度が低下していたこと。
②低骨密度の割合が東京・大阪(4.5%)に対して、福岡17.6%、愛媛41.2%と地方都市で高い結果に。
③②に関連する因子として<現在の仕事の有無>と<公共交通機関の利用>があった。(愛媛は公共交通機関利用がゼロだった)
④<痩せ>は年齢・エリア問わずリスク因子であった。
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健康な若い女性の骨密度データは貴重なものです。
加えて今回大都市と地方都市を両方みれたことで<公共交通機関での通勤>という活動の有無が骨密度に与える影響を把握することができ、これは保健室が離島開催含めた全国ベースでの開催になっているからこその成果です。
今回は食事・栄養との関連は含まれておりませんが、
今後、全国7エリア/780名のデータを解析し、食事・栄養との関連を論文に盛り込む予定です。
クラファンを通じてラブテリ保健室に骨密度計を与えてくださった
支援者の皆様、ラブテリ保健室のスポンサー、協力者の皆様。
測定を経験された方々も「良い機会になった」ととても喜ばれます。
加えて、このような価値ある発表に繋げられることを、あらてめて心から感謝いたします。
\\ 次の取り組みは低下が危惧される子どもの骨密度研究です。 //
年間12万人の新規の骨折と、大腿骨近位部骨折による介護・医療費は、
7千〜8千億円(!)と推計されています※。
このような重たい現実を子どもたち世代に背負わせずに済むためにも、
健やかな成長のためにも、子どもの頃から骨を大事にしてほしいのです。
骨密度低下を<予防できる仕組み>を創出すべく、ラブテリチーム一丸となって頑張りますので、
引き続き今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※ 原田敦ほか. 日老医誌 2005; 42(6): 596-608